試験レベルの違い
公務員試験は受験する試験によってレベル差があります。自分の目指す試験がどのレベルなのかを理解した上で受験計画を立てることが、効率良く学習を進めていくコツになります。年度によってもレベル差は違いますが、参考にしてください。
1.全体的な試験レベルの差
公務員試験を作成している団体は多くありません。国家公務員以外は試験問題を作成する機関から問題を購入して試験を実施しています。
国家公務員は人事院が作成しています。試験係という部署で毎年作成しています。地方公務員は人事試験研究センターという機関が主に作成しています。
全体的に国家公務員の方が問題の難易度は高く、地方公務員は自治体の種類によって難易度が変わります。
下図にレベル差を示しました。都道府県よりも市町村の試験の方が易しい問題が出題されます。
2.国家公務員の試験レベル
国家公務員の中で最も難易度が高いのが「総合職」です。次に「専門職」「一般職」と続きます。
「総合職」は主として政策の企画立案等の高度の知識、技術経験を必要とする業務に従事することを職務とする官職へ採用することを目的としています。キャリア官僚になるための公務員試験と考えてください。問題のレベルも一番高く合格率は10%をきることが多いです。
総合職には「院卒者試験」と「大卒程度試験」がありますが、「大卒程度試験」の場合、択一式の「基礎能力試験」「専門試験」の他に、二次試験で「専門試験(記述式)」、「政策論文試験」が課せられます。「院卒者試験」の場合、二次試験では「政策論文試験」の代わりに「政策課題討議試験」が課せられます。
「専門職」は7試験の総称ですが、「基礎能力試験」はすべての試験で共通です。「専門試験」は個別の試験(職種)ごとに出題される科目が異なります。
※専門職…皇宮護衛官、法務省専門職員(人間科学)、財務専門官、国税専門官、食品衛生監視員、労働基準監督官、航空管制官の7試験
「専門職」では、皇宮護衛官、食品衛生監視員、航空管制官を除いて、一次試験に「基礎能力試験」「専門試験(択一式)」「専門試験(記述式)」があります。
※試験の表
「一般職」は中央官庁や国の出先機関などで政策実現のための事務処理などを担います。「基礎能力試験」や「専門試験」は記述式試験、論文、面接などが課されますが、総合職ほど試験の難易度は高くありません。
3.地方公務員の試験レベル
地方公務員は地域によって一部問題がことなります。
県職員の試験種類は「全国型」「関東型」「北陸型」の区別があります。ベースは「全国型」です。共通科目以外で数問地域によって問題が異なります。
基本的な問題が多く、国家一般職よりも問題レベルは低くなります。
また、地方公務員の中でも、都道府県職員の試験より、市役所の試験の方が易しくなっています。試験レベルの差を大まかにみると下記のようなイメージです。
(説明選択肢一つについての量で比較)
警察官試験…選択肢が1行程度。(基本用語の理解)
市役所試験…選択肢が2行程度。(基本事項の理解)
都道府県試験…選択肢が2行~3行。(誤っている部分が一部あり)
国家公務員…選択肢が3行から4行。(説明量が多く、前半または後半のどちらかに誤りがある)
4.どの試験に合わせる
レベル差がありますので、自分の目指す試験より上のレベルまで学習する必要は無いでしょう。自分の目指す試験レベルを最高として、それより下のレベル問題を多く解いていくと良いでしょう。
※地方上級と国家一般職、国家一般職と国家総合職はそれぞれ差があります。参考までに問題を解いてみることはいいことですが、受験する予定のないレベルの問題集や参考書を購入して学習することは学習効率が悪くなりますので控えた方が良いでしょう。
目標試験レベル以下の学習をする必要はあるのかと聞かれることがあります。結論は易しいレベルから学習した方が良いです。
5.レベルは違っても出題される範囲は同じ
公務員試験の出題科目や出題範囲はどのレベルの試験でも同じです。当然、重要ポイントや解法の基本も同じです。初学者がいきなり本試験レベルの学習をすると難しく感じ、自信をなくし挫折してしまう可能性があります。大卒試験を目標としている場合でも、高卒レベルから学習していく方がスムーズに理解できるようになります。
基本を重視しましょう。
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