公務員試験は、その多くが人事院もしくは日本人事試験研究センターの作成している問題であるため、どこの試験も似た問題が出題される傾向があります。それ以外にも東京都や特別区のように独自の問題を作成している自治体もありますが、それでも他の公務員試験を意識した問題であることがほとんどです。つまり、公務員試験の勉強は複数の試験に対応できることがほとんどだと言えるでしょう。それもあって、多くの受験生は試験日程を見比べながら併願することが一般的です。では併願する際に、どの試験に重点を置いて対策すべきかについて考えてみましょう。
１．併願で意識すべきこと
公務員試験は併願することが一般的です。どこか一つの試験種を専願することは、もちろん受験生本人の判断によります。しかし、どの試験でも満遍なく対策し、全ての試験に合格するというのは、実際問題として難しいです。
本命の試験を照準に入れながら、併願先の優先順位を決めつつ、適切な勉強と対策を進めていくことが、最終的に公務員になるための合理的な作戦といえるでしょう。２．一次試験日と併願プラン
公務員試験は、（前提として応募要件を満たしているのは当然ですが）試験日が重ならなければ併願することが可能です。逆に言えば試験日が重なると併願は不可能です。上手く試験日が重ならない試験を視野に入れて、併願プランを考えていくことが合理的な対策といえるでしょう。
公務員試験の日程は、二次試験以降は受験生により異なることが多いので未確定ですが、一次試験については、その試験の受験生が全員受験するので同日になっています。基本的には一次試験の日程を比較しつつ、併願のプランを考えていくことになります。
大卒程度公務員の主な一次試験の日程を挙げると、以下の通りになります。
4月上～下旬 警視庁警察官Ⅰ類（一回目） ※警視庁は専門なし
4月下旬 国家総合職（政治・国際区分）
5月上旬 東京都Ⅰ類Ｂ／特別区Ⅰ類 ※専門あり。東京都Ⅰ類Bの専門試験は記述試験
5月上～中旬 東京都Ⅰ類A※専門あり／道府県警察官（一回目） ※専門試験なし
5月中旬 国会図書館総合職・一般職 ※専門あり
5月上～中旬 東京消防庁消防官Ⅰ種 ※専門なし
6月上旬 皇宮護衛官※専門なし 海上保安官※専門無し 国税専門官※専門あり
6月中旬 国家一般職※専門あり
6月下旬 地方上級（政令指定都市を含む）専門あり※横浜市以外は専門あり
7月上旬 国立大学法人等職員 ※専門なし
7月下旬 市役所（Ｂ日程） ※自治体によって専門あり
9月上旬 東京消防庁Ⅱ類 ※専門なし
9月下旬 市役所（Ｃ日程）※自治体によって専門あり
9月中旬 警視庁警察官Ⅰ類（男性 第二回） ※専門試験なし
9月下旬 道府県警察官（二回目）※専門なし
1月上旬 警視庁警察官Ⅰ類（男性 第三回）※専門試験なし
上記はあくまでも例年の日程なので、場合によっては変更があり得ます。ご注意下さい。
３．併願で気をつけること
大卒事務志望の方では、一次試験の日程を見ていくと、４～５月に国家総合職・一般職・専門職、東京都、特別区の試験が、６月に地方上級（道府県）・政令指定都市の試験があります。この時期は専門試験もある難関の試験が続きます。
その後は７～９月にかけて市役所や国立大法人職員といった、専門試験があるところと無いところが混在した試験が行われます。４～６月の時期に行われる試験よりも難度は下がってきます。
つまり、試験は難度の高い試験から低い試験へと移っていく日程だとわかります。国家一般職や都道府県庁を目指している受験生は、早め早めの勉強と対策が必要になります。もし、これらの試験で万が一不合格になった場合、後半の７～９月の市役所などの難度が低めの試験を狙っていくという流れになるでしょう。
もちろん、最初から９月の市役所試験が本命の方もいるでしょう。しかし、本命の試験のみを受験するのはリスクが高いといえます。リスクの分散はもちろんのこと、自分の勉強の進度やモチベーションの維持などを考えても、４～６月の時期に行われる試験も併願することが公務員試験に最終合格するための合理的な作戦だといえるでしょう。>> 〔公務員Ｗｅｂ講座のご案内〕 →こちらから
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