東京消防庁「小論文」の対策

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 今回は、「東京消防庁・消防官Ⅰ類」「東京消防庁・消防官Ⅱ類」採用試験における、「小論文」の対策についてお伝えします。

 

 1 東京消防庁「小論文」は難易度高め

「東京消防庁・消防官Ⅰ類」「東京消防庁・消防官Ⅱ類」採用試験で課される「小論文試験」は、他の公務員採用試験と比べて、「難易度が高い課題」が出題される傾向が見られます。
課題に示された内容についての具体的な知識がないと1文字も書くことができない課題や、与えられたグラフや数表などの「統計資料」を正しく読みとり分析することができないと、高い評価を得られない課題などが出題されます。
 これらの課題について、高い評価を得られる内容で小論文を執筆するためには、事前に、課題として出されそうな項目について、十分な知識と客観的な自分の考え(課題への対応策)を、しっかりと準備しておく必要があります。

 2 東京消防庁「小論文」の傾向

(1)事例に関する具体的な知識と、客観的な自分の考えを必要とする課題

デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が人間社会にどのような影響を与えるのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。(消防官Ⅰ類・令和3年度試験)
官公庁がソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を積極的に活用することの利点とその活用方策、さらにその際に注意すべきことを具体的に述べなさい。(消防官Ⅱ類・令和3年度試験)
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が社会に与える影響についてメリットとデメリットをあげ、それに対するあなたの考えを具体的に述べなさい。(消防官Ⅱ類・平成30年度試験)
先頃発生した、平成28年熊本地震における災害について、あなたが問題と感じることを2つあげ、その解決方法について述べなさい。(消防官Ⅰ類・平成28年度・1回目)


(2)与えられた統計資料を正しく読み取り、分析し、事例に関する現状と問題点を正しく認識して、客観的な対応策を主張する課題

下の資料から傾向を読み取り、行政機関が発信する情報を都民に広く周知するための効果的な方法を考え、具体的に述べなさい。(資料:「個人のインターネット利用者の割合の推移」「インターネットの利用目的・用途」)(消防官Ⅰ類・令和2年度1回目試験)
資料「救急車を呼んだ理由」から読み取れる課題と対応策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。(資料:「救急車を呼んだ理由」)(消防官Ⅰ類・令和元年度・1回目試験)
資料「主な出火原因別火災件数」から読み取れる課題と対応策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。(資料:「主な出火原因別火災件数」)(消防官Ⅰ類・令和元年度・2回目試験)
資料「新規学卒者就職率と3年以内離職率【大学】、【高校】」から読み取れる課題を2つあげ、それぞれの対応策についてあなたの考えを具体的に述べなさい。(消防官Ⅰ類・平成30年度・1回目試験)
資料「最近1年間で防火防災訓練に参加したことがない最も大きな理由」から読み取れる課題を2つあげ、それぞれの対応策についてあなたの考えを具体的に述べなさい。(消防官Ⅰ類・平成30年度・2回目試験)
資料「家具類の転倒・落下・移動防止対策を実施していない(一部にのみ実施している人は、実施していない部分について)理由」から読み取れる問題点を2つあげ、それぞれの対応策についてあなたの考えを具体的に述べなさい。(消防官Ⅰ類・平成29年度・1回目試験)
資料「高齢者人口及び割合の推移(昭和25年~平成28年)」から読み取れる問題点を2あげ、その対応策についてあなたの考えを具体的に述べなさい。なお、本資料における高齢者とは、65歳以上をいう。(消防官Ⅰ類・平成29年度・2回目試験)



(3)しっかりとした自己分析・職種分析を必要とする課題

社会人として必要なものを3つ挙げ、それを身に付けるためにあなたが今後どう取り組んでいくのか具体的に述べよ。(消防官Ⅰ類・令和2年度2回目試験)
あなたの経験から「失敗を糧にして成長できた」と考えられる事例をあげ、今後当庁で仕事をしていくうえでそれをどのように生かしていくのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。(消防官Ⅱ類・令和2年度試験)
職場におけるチームワークの重要性とチームワークの醸成に対する取り組み方について、あなたの考えを具体的に述べなさい。(消防官Ⅱ類・令和元年度試験)
組織において、個々の有する能力を発揮するために大切なことを2つあげ、あなたがどのように実践していくのか具体的に述べなさい。(消防官Ⅰ類・平成28年度・2回目試験)

 

 2 小論文対策の仕方

(1)事例に関する具体的な知識と、客観的な自分の考えを必要とする課題
 出題頻度は必ずしも高くはないですが、出題された場合、その課題に関する「具体的な事例」を知らないと、1文字も書くことができません。広範囲の「時事」について、具体的な知識と見識を問われる課題です。防火・防災以外の「社会的なできごと」について出題されることもあります。

 過去1年間くらいの間に発生した「大規模な自然災害・火災」に関する具体的な事例についての知識を、広範囲に学んでおきましょう。加えて、個々の「大規模な自然災害・火災」について、発生の原因・従来の対策の問題点・今後必要とされる対策などについて、複数の視点から、様々な専門家(研究者)の意見を学んでおきましょう。

 また、参考文献として、東京消防庁や行政機関が発表している「各種統計資料」や、内閣府が毎年報告している「防災白書」、総務省・消防庁が毎年報告している「消防白書」などを熟読し、近年発生している「大規模自然災害」「大規模火災」などについて、発生状況・原因・各種行政機関の対応・問題点・新たな課題・新たな対応策などについて、知識を学んでおきましょう。
 その上で、自分ならば客観的に考えて、どの対策を優先して行うべきかを、根拠と理由を含めて考えておくと良いです。

 「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」、「SDG’s(持続可能な開発目標)」など、近年注目されている、「カタカナ用語・横文字」で表現される「社会的な取り組み・課題」についての知識・課題・専門家(研究者)の意見なども、広範囲に学んでおきましょう。
 また、それらの取り組みが「防災・防火対策」にどのような影響を与えているか考察し、今後の「防災・防火対策」にどのように役立てることができるか、客観的な自分の考えをまとめておくと良いです。

(2)与えられた統計資料を正しく読み取り、分析し、事例に関する現状と問題点を正しく認識して、客観的な対応策を主張する課題
 出題頻度が極めて高い課題です。
 多くの場合、「大規模な自然災害」「大規模な火災」に関連する資料から出題されますが、中には、「就職率・離職率」など、「防災」とは直接関係しないような資料から出題される場合もあります。

 グラフや数表など、統計資料を正しく読みとり、正しく分析できるよう、「防災」に関連する統計資料はもちろんのこと、「防災以外」の資料なども含めて、様々な統計資料に触れておきましょう。その際、関連する新聞記事・「防災白書」「消防白書」をはじめとする様々な「~白書」などの行政機関の報告なども熟読し、各種行政機関の見解と今後の方針、専門家(研究者)の意見などを学んでおきましょう。その上で、資料から読み取ることができる課題の発見と、その要因、必要とされる対策などについて、客観的な自分の考えをまとめておくと良いです。

(3)しっかりとした自己分析・職種分析を必要とする課題
 自分が目指す「公務員像」「消防官像」「社会人像」や、住民に適切な貢献ができる「行政組織像」について、自分の考えをまとめ、理想を実現するために必要な、「自分自身が心掛け、努力すべき点」と「行政組織全体が心掛け、努力すべき点」について、自分の考えをまとめておきましょう。

「先輩公務員の取り組み」や、現在実施されているさまざまな「行政組織の取り組み」があれば事例を確認しておきましょう。

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