数的推理の勉強法
1.数的推理とは
数的推理は中学・高校で学習した数学の分野で、「教養試験」で出題されます。項目は比と割合、速度算、整数、順列・組合せ・確率、図形、仕事算、平均、時計算、年齢算の9項目です。出題される項目の中に、高校で履修しなかった分野があったり、また、文系の学部・学科を専攻されている方の中には、計算が苦手な方も多いことでしょう。
2.何問出るの
数的推理の出題数は、公務員試験の種類と関係なく、概ね5問です。
高校時代に学んでいない項目がある方や、数学や計算が苦手という方は、確実に正答できるようになるまでの学習時間を多く確保して、しっかりと学習する必要があります。なぜならば、数的推理を含む「知能分野」の科目で得点できない場合(例えば、数的推理が全問不正解になってしまった場合など)、知能分野などで多く得点できていたとしても、一次試験が不合格になる可能性が、非常に高くなるからです。
数的推理は、問題文を読んで正しく理解し、必要な数値や公式を用いて正しく計算し、正答を導く科目です。つまり、数的推理で1点も得点できない場合、「文章の読解力、知識力、論理的思考力、計算力、問題解決力について、公務員としての力量を満たしていない」のような、非常に低い評価になってしまうのです。
公務員試験の一次試験を通過するためには、数的推理でできるだけ多く得点する必要があります。できれば、5問中4問正答することが望ましいですが、最低でも、5問中3問正答できるよう、実力を上げていきましょう。
なお、数的推理の問題の中に、難問が1問、出題されることがあります。難問はほとんどの受験者が解けないような問題です。難問は、解けなくても構いません。ほとんど誰も解けないので、難問は合否に影響しません。数的推理の問題については、普通レベルの問題や、簡単なレベルの問題を確実に正答できるように、学習を進めていきましょう。
4.数的推理の対策
数的推理で出題頻度が高い項目は、比と割合、速度算、整数、順列・組合せ・確率、図形です。概ね、この中から5問出題されます。特に、図形は必ず1問出題されます。
次に出題頻度が高い項目は、仕事算、平均です。解法は簡単な問題が多いので、数的推理の学習の手始めに、仕事算や平均を取り組んでみるのは、数的推理に慣れるために有効な手段です。
出題頻度が低い項目は、時計算、年齢算です。20年以上前は出題頻度が高かったのですが、近年は出題頻度が低くなりました。出題頻度が低いので、学習の時間があまり確保できない場合は、捨ててしまってもよい項目です。ただし、時計算は、「速度算の解法」の応用で解くことができます。年齢算は、「整数の解法」の応用で解くことができます。速度算や整数の解法が身についた後、時計算や年齢算を取り組んでみるとよいでしょう。
いずれの項目も、過去問を解きながら、わからない問題や苦手な問題を繰り返し解いて、解法の手順を身につける勉強法が有効です。
5.どれくらいの勉強時間が必要か
数的推理の標準学習時間は、40時間ほど必要となります。(#「数的推理の戦略」参照)
解法の要点が整理してある「これだけ教養試験 要点まとめ&一問一答」(高橋書店 上野法律セミナー著)を利用すると、効果的に、効率よく理解できるようになります。
短期間で学習したい方は、受験予備校の講座も検討すると良いでしょう。数的推理のみの講座や科目ごとに講座が分割されている機関を選ぶと効率的に学習できます。
出題頻度が特に高い、比と割合、速度算、整数、順列・組合せ・確率、図形を中心に、過去10年間くらいに出題された様々な過去問を数多く解いて、項目ごとに解法の手順を理解し、身につけていきましょう。
>> 〔公務員Web講座のご案内〕 →こちらから
独学の方のための「Web講座」を実施しています。1科目から選択可能です。
効率良い学習で、合格を勝ち取りましょう。