資料解釈の勉強法
人口、年齢、高齢化率、転入・転出者数、待機児童数など、公務員になると数字から離れた生活はできなそうです。資料としてデータを見ることも多く、データをどう読み込むかも公務員の仕事のひとつです。データを読み解く力を問われるのが資料解釈です。
1.資料解釈とは
資料解釈とは、与えられた図・表を見て、選択肢の問題に答えていく科目です。
もちろん、図・表は初めて見るものですから、図・表を読む基礎的な力が必要です。選択肢はいつものように5つありますが、この選択肢は他の科目とは作られ方が違います。5つの選択肢がすべて独立した小問になっていて、原則的にはすべての小問に答えないと答えを絞ることができません。1問に5つの小問があるというイメージですから、とても時間がかかってしまいます。
資料解釈で安定的な得点を取るには、解答時間をどれだけ少なくするかということも視野に入れなければならないのです。
出題問数はだいたい2問です。東京都特別区の場合は4問です。
2.資料解釈で必要なスキル
資料解釈で得点するために必要なスキルをご紹介します。
① グラフ・表を読む力
グラフ・表はもちろん初めて見るものです。基本的な図・表の見方が問われます。
出題されるグラフはバラエティーに富みます。折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフ、珍しいものでは三角グラフもあります。グラフの縦軸・横軸には何が書かれていて、何を表すグラフなのかがわかれば問題ありません。例えば『消費者物価指数』が折れ線グラフで書かれている場合、消費者物価指数というのが一体何を表すのかに悩みそうですね。でも消費者物価指数の意味自体がどういうものなのかがわからなかったとしても、消費者物価指数というものがグラフで表されていて、グラフの読み方がわかれば解答する上では足ります。(あえてよくわからない単語を出して、受験生を惑わせようというのが公務員試験によくあるひっかけ問題です)。
難しい問題になると、ひとつのグラフに複数のデータが示される場合があります。例えば、一つの表の中に、折れ線グラフと棒グラフが書かれるような場合です。そうなると、数字の読み間違えが起きやすいので注意しましょう。
表問題は、表に数字が書かれているだけなので、グラフよりは見やすいです。でもこの場合、選択肢に書かれた問題文がやや難しくなる傾向があります。
② 日本語力
問題文の指示通りに計算をするのが資料解釈です。基本的な計算力が問われているのはもちろんなのですが、実はその前提にあるのは日本語力です。どのような計算をし、グラフ・表のどの数字を使えばいいかは、選択肢(問題文)を読まないとわかりません。資料解釈の問題文はわかりにくく、何の計算をしなければいいのか悩むことがあります。
問題練習をするときは、選択肢を読んで、『こう書いてあるから、この計算をする』というような意識をするのがいいです。
例えば、『常に博物館の入場者数は動物園のそれの半分以下である』という選択肢があれば、博物館と動物園の入場者数の比較をし、博物館の入場者数は常に動物園の入場者数の半分以下であるかどうかをチェックするわけです。
問題文の文章を的確に読むのがポイントです。
③ 計算力
+-×÷の基本的な計算力が問われます。微分・積分のような難しい計算はありません。ただ、兆や億のような桁数の大きな数字や、小数・分数のような小さな数字が出ることが多いです。戦略なく計算をしていると、時間オーバーになってしまう恐れがあります。
3.得点のコツ
① よくでる用語を覚える
構成比・対前年増加率・指数など、あまり聞かない用語が出てきます。これらの意味を覚え、公式を使いこなせるようになることが重要です。
構成比とは、『全体の中で占める割合』のことです。CMなどの宣伝で耳にする『シェア』という言葉が構成比のことです。
対前年増加率は、前の年に比べ今年増えた割合のことです。去年と比べて今年は2個増えたのなら、それは増加数です。対前年増加率は、その2個という実数を割合で表したものです。
指数は、ある年を100という基準で表すとどうなるか、というものです。この言葉が一番わかりにくいかなと思いますが、それが公務員試験のひっかけの手口です。ある年を基準にするということなので、比で表しているということになります。
この3つがよく出題される代表的な用語です。
② 計算を省略する
桁数の多い数字が頻出です。桁数の多いまま計算すると時間がかかります。桁数を少なくしてざっくりと計算することで、効率を求める方法です。
例えば、与えられている数字が123456であれば、下3桁をないものと考え、123という上3桁を使って計算していくというものです。
この方法は、使われている数字を勝手に変えてしまうのと同じなので、答えが変わってしまうのではないかという不安を感じる方がいるかもしれません。資料解釈の選択肢は『〇〇はいくつですか?』というようにピンポイントで答えを聞かれるのではなく、『△と×を比べたら、どちらが大きいですか?』という問題がほとんどです。△も×も同じ条件で桁数をあわせれば、大小関係は変わりません。
このように数字を計算しやすいものに変えて、効率よく計算するのがオススメです。
③ グラフ・表の見た目だけで判断しない
よくあるひっかけの手法です。グラフを見ただけで答えが選べるようなものは、不正解になることが多いです。もしそれが正解になるのであれば、計算をしなくて済んでしまうわけですから、試験としてつまらない問題になってしまいます。
ポイント
① 5つの選択肢が独立した小問
② よく出題される用語を使った計算に慣れる
③ 計算を早くするために、ざっくり計算
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