刑務官は、刑務所、少年刑務所、拘置所に配属される、法務省所属の国家公務員です。
受刑者など、収容者の生活の管理、矯正指導などを行うことで、受刑者の社会復帰の支援と、国内の治安維持に貢献しています。
採用試験は、地域区分(北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄)と男女区分があり、合格すると、受験した地域内で採用されます。各地域で試験日は同じなので、異なる地域の刑務官採用試験を併願することはできません。
刑務官採用試験の内容は、警察官(高卒)採用試験と同様です。
刑務官採用試験は、警察官(高卒)採用試験と比べると採用人数が少ないものの、出願者に対する合格者の倍率は、概ね一桁台となっています。
今回は、「刑務官の採用試験のレベル、問題の特徴」について解説します。
1 刑務官 採用試験の区分・レベル
刑務官採用試験は、「高卒区分」の公務員試験です。国家公務員の「入国管理官」などと同様に、「高卒」のみの募集となっています。警察官や消防官、皇宮護衛官などと異なり、「大卒区分」での募集は行われていません。
刑務官採用試験は警察官採用試験と同様に、男女の性別の区分があります。
試験は、地域ごと(北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄)に実施されます。各地域で試験日が同じであるため、他の地域の刑務官採用試験を併願することはできません。
刑務官の一般教養試験の問題のレベルは、「警察官(高卒)採用試験」と、ほぼ同じレベルです。
2 刑務官 採用試験の特徴
刑務官の採用試験は、「第1次試験」と「第2次試験」の2段階で実施されます。
第1次試験は、筆記試験です。筆記試験として、「一般教養試験」と「作文試験」が課されます。
「一般教養試験」の出題傾向は、警察官(高卒)の一般教養試験と同じです。
数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈などの知能分野の科目については、計算方法などをしっかり理解して、1問あたり、3~5分程度でスラスラ解けるように対策しておきましょう。
人文科学、社会科学、自然科学などの知識分野の科目については、出題頻度が高い項目について、用語や意味の理解を進めておきましょう。
国語の長文読解、英語の長文読解については、中学・高校までの学習で、どれだけ身に付いているかが重要です。国語の読解力を高めるとともに、基本的な英単語・英熟語・構文などについて、しっかりと復習しておきましょう。
「作文試験の課題」は、「犯罪の抑制」、「再犯の防止」「ルールを守ることの大切さ」など、受刑者の矯正指導に関する課題や、「公務員として求められること」、「社会人として求められること」など、自分自身がどのように社会に貢献したいかを主張する課題などが出題されます。
課題に関係する具体的な事例を取り上げ、自分がその課題や事例に対してどのように向き合い、どのように取り組みたいかを、具体的に、第三者にもわかりやすく述べて、課題についての主観的な考えを主張しましょう。その上で、自分は刑務官として、どのように国民に貢献したいかを主張しましょう。
加えて、制限時間内に、制限字数の90%以上の字数で、読みやすい字で完成させることができるように、練習していきましょう。
第2次試験では、「人物試験(個別面接)」「身体検査・身体測定・体力検査」、「性格検査」 が課されます。
「体力検査」(上体起こし、立ち幅跳び、反復横跳び)に備えて、筋力、瞬発力、持久力を鍛えておきましょう。
「面接練習」に備えて、「刑務官の志望動機」、「刑務官のやりがい」、「今までに力を入れて取り組んだこと」などを答えられるようにしておきましょう。
加えて、「なぜ、刑務官を志望したのか」について、面接官が納得できるような、具体的な志望理由を主張できるように、しっかりと準備しておきましょう。
3 刑務官志望者が意識すべきこと
第1次試験、第2次試験共に、刑務官としての所作がチェックされています。常にマナーを守り、姿勢を正し、明るい表情で、大きな声でハキハキ答え、キビキビ行動しましょう。
業務では、高い協調性が求められます。互いに思いやり、助け合う姿勢や、コミュニケーション能力を高めておきましょう。
刑務官は、受刑者に対しては規律に厳しく、彼らの過去の過ちに向き合わせて、規則正しい生活を課す一方で、受刑者の更生を支える優しさも求められます。自分自身を律する姿勢と高い志しを持って、社会に貢献する姿勢を培っていきましょう。
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