必須の試験

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西川

B!

教養試験もしくは基礎能力試験は、大部分の公務員試験において実施される試験です(一部の試験では実施しないものもあります)。国家公務員試験では基礎能力試験としていますが、都道府県・市町村などの地方公務員採用試験では教養試験とされています。

  

1.教養試験・一般知能分野


判断推理 6~11問:知能パズルのような問題や図形の問題などが出題

数的推理 4~8問:計算を使う問題が出題

資料解釈 1~5問:統計資料やデータを参照する問題が出題

文章理解 6~11問:長文読解や文章の並び替え、英文読解などが出題

 

それぞれの出題数は試験種によって異なります。また、判断推理には空間把握が含まれます。

上記の科目は計算したり、知能パズルのような問題を解きます。いずれの問題も計算したり、長文を読んだり、対応関係を調べたりするので、解くのに時間がかかることが特徴です。

判断推理は知能パズルのような問題や図形などの問題が出題されます。いわゆる脳トレと呼ばれるゲームに似ています。ただし、試験なので当然より難しい問題が出題されます。

数的推理は数学に近い問題が出題されます。計算などで解く必要があるので、計算が得意な人は得点しやすいですが、苦手な人は対策が必須の科目です。

資料解釈は貿易や事故などの統計資料や、予算のデータなどから、正しくいえることは何かが問われる科目です。資料の読み方と簡単な計算を繰り返して解く必要があります。

文章理解は中学や高校で勉強した現代文や英文読解の問題に近いです。過去問を解いて慣れる必要はありますが、日常的な読書量で得手不得手が分かれる傾向があります。

これらの科目の中で、最重要な問題とされるのが判断推理と数的推理です。

判断推理と数的推理は、出題数の多さと、解けるようになるのに時間がかかるところに特徴があります。公務員試験は限られた時間に大量の問題を手早く解く必要があります。そのためには、問題のパターン毎に解法をマスターすると短時間で手早く解くことができるようになります。この解法パターンを身につけることが判断推理、数的推理を解けるようになるためのポイントです。

短期間では解法を身につけることがとても難しいため、試験直前になってから勉強を始めても間に合わせることは難しいです。公務員試験に合格するためには、この数的推理、判断推理を早め早めに勉強をスタートさせるのが攻略のポイントとなるでしょう。

2.教養試験・一般知識分野


社会科学 1~9問:政治、法律、経済、社会などが出題

人文科学 1~12問:日本史、世界史、地理、思想、文学・芸術などが出題

自然科学 1~10問:数学、物理、化学、生物、地学などが出題

 

上記の出題数は試験種によって異なります。いずれの科目も、多くの問題は知識について問われます。つまり、その問題に対して知識があるかどうかについての問題がほとんどです。一言で言えば、一般知識分野の問題は暗記科目といえるでしょう。

社会科学は、高校の政治経済と出題分野は、ほぼ同じです。治経済の大学入試用参考書や問題集なども利用できます(出題傾向は試験によって大学入試とは異なる場合もあります)。政治は各国の政治体制や国際機関、政治思想などが出題されます。法律は憲法を中心として、国会・内閣・裁判所などの統治機構、人権などが出題されます。社会は少々注意が必要で、近年ではほとんど時事問題が出題されています。ですので、古い話題が出題されることはほとんどなく、毎年最新の時事関係から出題されます。社会事情という科目で出題される試験種もあります。ですので、試験直前に時事対策の参考書などを読むだけでなく、日常的に新聞や報道番組に接することで、最新の時事的な情報をチェックしておくと、得点しやすくなるでしょう。

人文科学も高校の日本史、世界史などの科目と、ほぼ同じです出題傾向は試験によって大学入試とは異なる場合もあります)。

日本史は幕藩体制、明治時代などが、世界史は市民革命・産業革命などが出題されます。地理は地形環境、気候などが、思想は近代思想、現代思想などが出題されます。文学・芸術は出題される試験種とそうでない試験種がありますが、出題される場合は日本の近現代文学、世界の文学などが出題されます。

自然科学の出題数は試験種によって異なりますが、東京消防庁がもっとも多く、10問ほど出題されています。東京消防庁を目指している方は、自然科学は避けて通れないと考えて、早めの対策をしておきましょう。内容については高校の物理や地理とほぼ同じです(出題傾向は試験によって大学入試とは異なる場合もあります)。

数学は関数とグラフなどが、物理は力の釣り合い、電気回路などが出題されます。化学は熱化学、無機化合物などが出題されています。

3.教養試験の勉強の方針について


教養試験は一般知能分野と一般知識分野から構成されていますが、最優先で勉強する必要があるのは、数的推理と判断推理です。公務員試験で苦戦するタイプは多くの人はここが苦手です。出題数が多い一方で、マスターするのに時間がかかる数的推理、判断推理は最優先で早め早めに勉強することを強くお勧めします。

一般知識分野は暗記が中心なので、慌てて勉強しなくてもなんとかなることが少なくありません。とはいえ、放置して勉強を後回し、後回しにすると、気がつけば試験日直前になってしまうので、計画的に勉強をしていくといいでしょう。

実際の試験では6~7割程度得点できれば、一次試験は通過できることがほとんどです(倍率が極端に高い場合はより高い得点が必要なこともあります)。出題数が1問程度と極端に少ない科目は、勉強する時間が無い場合は、捨ててしまっても良いでしょう。ただし、捨て科目は「苦手だから捨て科目にする」という考えは危険です。教養試験全体で6~7割程度得点するためには「出題数が多い科目」を捨ててしまっては、一次試験を通過することは難しくなります。「出題数が多い科目」は苦手でも何でも、なんとしても得点できるように勉強をしていく覚悟が必要です。それが合格に至るための王道になるでしょう。


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