
「東京消防庁・消防官」採用試験の一般教養試験は、他の公務員採用試験と比べて、「自然科学」の出題数が際立って多い点が、大きな特徴です。
今回は、「東京消防庁・消防官」採用試験における、「自然科学」の対策についてお伝えします。
1 東京消防庁の特徴
多くの公務員採用試験における、一般教養試験の「自然科学」の出題数は、概ね5問程度であるのに対し、東京消防庁・消防官採用試験における、一般教養試験の「自然科学」の出題数は、「消防官Ⅰ類(大卒)」および「消防官Ⅱ類(短大卒)」では10問、「消防官Ⅲ類(高卒)」で9問出題されます。
(東京都以外の自治体(市町村)の消防官採用試験の教養試験では、「自然科学」の出題数は概ね5問です)
「東京消防庁・消防官」を目指す場合、できるだけ早い時期から、「自然科学」をしっかりと対策する必要があります。
具体的には、「高校時代」に、「数学」、「物理」、「化学」、「生物」など、理数系科目をしっかりと復習した上で、「東京消防庁・消防官」採用試験の自然科学の過去問を、スラスラ解けるまで、しっかりと取り組む必要があります。
2 東京消防庁の自然科学出題数
「東京消防庁・消防官」採用試験および、「他の自治体の消防官」採用試験の一般教養試験における「自然科学」の出題数は、次の通りです。
消防官 | 数学 | 物理 | 化学 | 生物 | 地学 | 合計 |
東京消防庁Ⅰ類、Ⅱ類 | 4 | 2 | 2 | 2 | 0 | 10 |
東京消防庁 Ⅲ類 | 3 | 2 | 2 | 2 | 0 | 9 |
他の自治体 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 5 |
「東京消防庁・消防官」採用試験の、一般教養試験における「自然科学」の出題数は、「他の自治体の消防官」採用試験の約2倍です。
「数学」に限ると、概ね3~4倍。「他の科目」は2倍になっています。「東京消防庁・消防官」を目指す場合は、高校時代の「数学」「物理」「化学」「生物」の4科目を復習しておきましょう。
※「他の自治体の消防官」採用試験では出題される「地学」は、「東京消防庁・消防官」採用試験では、出題されません。
「数学」は、多くの公務員試験の一般教養試験では、いわゆる「捨て科目」にしてしまうことが多い教科ですが、「東京消防庁・消防官」を目指す場合は、しっかりと取り組んで、「得点源」にする必要があります。特に「数学」は、「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」「数学C」を履修して、しっかりと理解した上で、正しく短時間で計算できるようにしておきましょう。
3 自然科学・各科目の出題傾向
(1)数学の出題傾向
・各種計算
・各種方程式の解、および、不等式の解の範囲
・一次関数・二次関数のグラフ
・最大値、最小値
・数列
・場合の数、確率
・図形
・三角関数
各項目の公式・定理などを理解し、覚えた上で、短時間に正しく計算できるよう、過去問を取り組みましょう。
「数列」「確率」「図形」など、「数的推理」でも出題される項目から、別途「数学」で出題される項目も多いので、「数的推理」もしっかりと取り組んでおきましょう。
(2)物理
・物体の運動
・力のつり合い
・エネルギーの保存
・電気と磁気
・音波、光波
・原子力、放射性同位体
他の公務員試験では比較的出題頻度が低い、「電磁誘導」「放射性同位体」なども出題されています。過去問を参考にして、物理の各項目について広範囲に取り組んでおきましょう。
その上で、公式・定理を理解し、覚えた上で、短時間に正しく計算できるよう、過去問を取り組んでおきましょう。
(3)化学
・原子の構造、イオン
・元素の性質
・各種化学反応と、計算
・酸化、還元
・酸・塩基・中和
・物質の三態
・気体の性質
・有機化合物
他の公務員試験では出題頻度が低い、「有機化合物」も出題されます。
過去問を参考にして、化学の各項目を広範囲に取り組む中で、「有機化合物」の名称・特徴・性質・製造法などについては、しっかりと知識を獲得しておきましょう。
(4)生物
・細胞
・酵素
・光合成
・呼吸
・植物生理
・ヒトの恒常性(血液、肝臓、腎臓、免疫、ホルモン、自律神経 など)
・遺伝、遺伝子(DNA、RNA)
・脳の部位とはたらき
・生態系
生物の出題傾向は、他の公務員試験の生物と、概ね同じです。
過去問を参考にして、生物の各項目について、広範囲に取り組んでおきましょう。
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