
公務員試験は採用試験であるため、受験生の相対評価で決まります。つまり。受験生の中で上位の得点をした人から合格していきます。ただし、単純に正答を選んだ問題数で合否が決まるわけではありません。あくまでも相対評価なので、皆が解けない難しい問題が出題された場合には、低い得点でも合格する可能性があります。また逆に簡単な問題で皆が解ける問題の場合は、高得点であったとしても不合格になる場合があります。
以下に公務員試験における合格者はどのように決まるのか見ていきましょう。
合格者の決定方法から、公務員試験に合格するために意識すべき事は、広く浅く、極端に低い点数の試験を作らないようにすることです。
まず、基準点がある以上、特定の試験について極端に低い点にならないように意識する必要があります。たとえば国家公務員試験では多肢選択式試験(基礎能力試験と専門試験)で基準点以下になると、その時点で不合格確定です。たとえば「数的推理、判断推理は苦手だから全部捨ててしまって、専門試験で得点して合格を目指す」という戦略を立てたとしても、基礎能力試験で基準点である30%以下の得点では意味がありません。仮に専門試験で満点を取っても不合格確定になります。
地方公務員においても、基準点の設定あることがほとんどだと考えられます。各自治体の公開している情報でも「基準点に達しない試験科目が一つでもある受験者は、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります(北海道行政職)」といった記述があることがほとんどです。ですので、「教養試験は全く勉強しない」「専門試験は苦手なので大部分捨てる」「面接は苦手で全く得点できそうもないので、教養試験、専門試験で高得点にして、合格を目指す」という偏った試験勉強はしないように注意する必要があります。
1.国家公務員の合格者の決定方法
国家公務員採用試験は、ほとんどの試験について人事院が実施しています。人事院では合格者の決定方法について公開しています。それによると、単純な正答数で合否を決定しているのではなく、一定の計算式に従って算出した標準点で合否を決定していることがわかります。
なお、一般職試験(大卒程度)の標準点の計算式は以下の通りです。
標準点=10×当該試験種目の配点比率×{15×(X-M)÷σ+50}
X:受験者の素点、M:当該試験種目の平均点、σ:当該試験種目の標準偏差
たとえば、この計算式を用いて、一般職(大卒程度)の基礎能力試験(配点比率2/9)を受験した場合、ある受験生の24点(素点)を得点した場合を考えてみます。仮にこの試験で平均点が21点、標準偏差が5.5だとすると、以下の計算で、素点が24点の受験生の標準点は以下のように計算されます。
10×2÷9×{15×(24-21)÷5.5+50}≒129
よって、この受験生の標準点は129点になります。
以上が教養試験における標準点の計算方法ですが、注意が必要なのは、基準点というものがあることです。一般職(大卒程度)は基礎能力試験と専門試験、一般論文試験、人物試験が課せられます。そのうちのどれか一つでも基準点という最低ラインの点数に達しない場合には、他の試験が仮に満点だったとしても必ず不合格になります。多肢選択式試験(基礎能力試験と専門試験)では、原則として満点の30%が基準として設定されています。
2.地方公務員の合格者の決定方法
地方公務員の合格者の決定方法は、自治体によって公開の度合いが異なります。人事院が公開しているような国家公務員採用試験における合格者の決定方法のように、詳細な計算方法まで公開している自治体はあまりないため、細かい合格者の決定方法は必ずしも明確ではありません。
しかし、自治体の中では北海道の職員採用試験については、合格者の決定方法の詳細が公開されています。それによると、国家公務員の合格者の決定方法と同様に、素点をそのまま使わずに、計算式を用いて標準点を算出して決定しています。なお、計算式は以下の通りです。
標準点=15×(各受検者の素点-当該試験種目の平均点)÷当該試験種目の標準偏差+50
計算式そのものは、人事院が国家公務員の合格者の決定方法で使っているものと一部異なりますが、類似していることがわかります。
以上のことからも、地方公務員の合格者の決定方法においても、自治体毎に違いはあるにせよ、素点そのままで合否を決めるのではなく、一定の計算式を用いて標準点によって合否を決めていると推測されます。
3.公務員試験に合格するために意識すべきこと
合格者の決定方法から、公務員試験に合格するために意識すべき事は、広く浅く、極端に低い点数の試験を作らないようにすることです。
まず、基準点がある以上、特定の試験について極端に低い点にならないように意識する必要があります。たとえば国家公務員試験では多肢選択式試験(基礎能力試験と専門試験)で基準点以下になると、その時点で不合格確定です。たとえば「数的推理、判断推理は苦手だから全部捨ててしまって、専門試験で得点して合格を目指す」という戦略を立てたとしても、基礎能力試験で基準点である30%以下の得点では意味がありません。仮に専門試験で満点を取っても不合格確定になります。
地方公務員においても、基準点の設定あることがほとんどだと考えられます。各自治体の公開している情報でも「基準点に達しない試験科目が一つでもある受験者は、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります(北海道行政職)」といった記述があることがほとんどです。ですので、「教養試験は全く勉強しない」「専門試験は苦手なので大部分捨てる」「面接は苦手で全く得点できそうもないので、教養試験、専門試験で高得点にして、合格を目指す」という偏った試験勉強はしないように注意する必要があります。
以上からも、得手不得手があったとしても、広く浅く、極端に得点が低くなることは避けることは意識して勉強する必要があるのが公務員試験合格に向けた対策といえるでしょう。
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