試験勉強は、試験日というゴールに向けて限られた日程の中で、合格に至るまでの学力を身につける必要があります。しかし、思うように勉強が進まないこともあるでしょう。ここでは勉強そのものではなく、それを下支えするリソース(資源)をいかに管理していくかを述べていきます。
1.あらゆるリソースは限られている
勉強に限らず、あらゆるもののリソース(資源)は限られています。典型的にはお金がそうです。一か月に使う予算があるとすれば、その限られた予算の中で、必要なもの、欲しいもの、不意の出費などを計算しながら割り振って使うことになるでしょう。勉強も同じで、限られたリソースはどのように使うか、という問題意識を持って計画的に管理していくことが合理的な対策といえます。では勉強に必要なリソースとは何でしょう。意識すべき最大のものは時間です。勉強を開始した日から試験日まで、限られた日数しかありません。それが早い段階なら余裕もあるかもしれませんが、何となく日々を過ごしたり、他にやることが多くてなかなか勉強に手をつけられなければ、気がつけば試験直前ということもありえます。また、試験日まで数ヶ月程度だったとしても、時間を効率的に使って計画的に勉強していくこともできるでしょう。
他に限られているものとして挙げられるのが、お金です。予備校や学内講座を利用するにせよ、参考書を購入して独学するにせよ、勉強には一定の費用がかかります。自分のお金をどう配分していくべきか、それも考える必要があります。
そして見落としがちなのが意欲(モチベーション)です。公務員試験の勉強は多くの科目に及ぶため、簡単ではありません。当然、一定量の勉強が必要です。それには心身ともに負担がかかります。公務員試験に合格する、という強い意欲を長く保ち続ける必要があります。とはいえ、気持ちばかり焦っても精神的に疲弊してしまいます。無理せず、意欲を長く強く保つための工夫も必要になります。
2.勉強量を明確化する
時間というリソースをどのように管理していくかですが、まず、試験日までの期間を明確にします。その期間が一年あるのか、それとも半年なのか、どれだけの期間があるのかを明確にしましょう。その上で、勉強しなければいけない分量を考えます。予備校や学内講座なら、終了までの全部の授業がスケジュールとして明示されていると思うので、それを参考に何コマ何時間の授業が行われるか確認しましょう。さらに、公務員試験の勉強においては過去問を繰り返し解くことが非常に重要です。予備校や学内講座などで授業を受けるだけではなく、それらで学んだことをベースにして、実際に本試験の過去問を解いていく必要があります。公務員試験は過去に出題された問題と似たり寄ったりの問題が出題されることが多いです。ですので、過去問を解けるようになることで実際の試験でも充分に得点できるようになります。授業で勉強した分野に関連する過去問を繰り返し解くことで(3~5回程度)、本試験でも問題が解けるだけの力がついてきます。
つまり、必要な勉強量は「授業のコマ数+過去問を3~5回程度繰り返す」ことだと考えて良いでしょう。この勉強量を試験日までの時間に割り振る、という形で基本的には計画を考えていきます。
3.8割主義の意識を保つ
上記の方向性に従って、勉強の計画を進めていきますが、ここで注意していただきたいのは、計画ギリギリに詰め込んだりせず、調整の時間も必ず設定することです。計画は重要ですが、その計画が上手くいかないことやイレギュラーな事態が発生して身動きがとれなくなることもあります。そんなときに調整する時間が無いと計画倒れに終わってしまうことも有り得ます。勉強そのものは、なるべく毎日少しでも続けた方が習慣化されて継続しやすくなりますが、無理な計画は禁物です。例えば、平日1日2時間勉強して15問解くことを決めておいて、平日5日で75問解く計画を立てたとしましょう。この場合、何かしらの理由で、50問しか解けなかったら、土曜日を調整日として、その不足分の25問を解くようにする、という具合です。
調整日を入れてもあまりにも当初の計画とズレてきたら、全体のスケジュールの見直しをした方が良いでしょう。例えば、勉強を始めて1か月で本来なら進むべき問題数が半分も終わっていなかった場合は、計画に無理があるか、勉強の時間確保に齟齬があるか(たとえば、勉強に集中できずに気がつけばスマホを操作してしまう、など)を確認して、スケジュールを見直すべきでしょう。
また、完璧を求めない気持ちも重要です。どんな分野でも近いことが言えますが、完璧を求めてもそうそう思い通りにいかないことがほとんどです。計画したことでも全体で8割程度できれば良しとする気持ちを保った方が、長続きすると考えられます。重要なのは、「上手くいかないから断念する」ではなく「上手くいかないこともあるが、状況に応じて調整しつつ、長く続ける」ことだと言えます。
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