栄養士・管理栄養士
食のエキスパートである栄養士。公務員として働くと、どのような仕事があるのでしょうか？試験関連の情報もお届けします。
１ 公務員と民間の違い
公務員と民間企業の栄養士の仕事内容を考えると、どちらも食を通じて人々の健康を守るという点では同じです。栄養指導や食事指導をしたり、栄養計算をしたり、献立の作成・食材の発注などを行います。
大きく違うのは、勤務場所ですね。民間企業の場合は、その企業のためにだけ働くので、勤務場所はその企業の社内になることが多いでしょう。公務員の場合は、公務員ならではの場所に配属されるチャンスがあります。たとえば、公立の学校、役所などの食堂、自治体が運営する病院や高齢者介護施設、都道府県が設置する保健所、市区町村の保健センター、福祉センター、そして自衛隊や刑務所などと様々です。
もし子供が好きな方であれば、学校を勤務場所とできる自治体を選ぶと楽しそうですね。栄養教諭という職種もあります。持病をお持ちの方の健康に関心がある方であれば、病院を選ぶとよいです。
自分の関心のある職場に配属される方が、やりがいが高まりそうです。
２ 栄養士と管理栄養士の違い
① 仕事内容の違い
どちらも食に関する仕事ではありますが、栄養士法によると以下のような違いがあります。
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栄養士 |
栄養の指導に従事することを業とする者 |
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管理栄養士 |
病気の方に対し療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して 継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理 及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者 |
誰に栄養指導をするか、という点が違います。栄養士は健康な方向けの仕事、管理栄養士は健康な方・健康を損なっている方向けの仕事ということができます。
② 免許・資格の違い
栄養士も管理栄養士もどちらも国家資格です。取得には以下のような違いがあります。
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栄養士 |
都道府県の知事が認定する国家資格。 専門学校や短期大学などの栄養士養成施設で2年間履修し、卒業と同時に、資格を取得することができる。 |
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管理栄養士 |
厚生労働大臣が認定する国家資格。 国家試験を受験する必要がある。 受験資格として、栄養士として実務経験を積むか、もしくは管理栄養士養成施設で4年間履修する。 |
このように管理栄養士になるためのハードルのほうが高めなので、管理栄養士のほうが上位の資格であるということができます。管理栄養士の場合は、国家試験と公務員試験の両方を受験する必要があります。
③ 管理栄養士の国家試験
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実施時期 |
毎年２月の日曜日 |
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試験地 |
北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県及び沖縄県 |
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試験科目 |
社会・環境と健康、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、食べ物と健康、基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論 |
詳しくは、厚生労働省のサイトでご確認ください。
３ どんな試験を受けるの？
どちらも公務員試験を受験する必要がありますが、試験の難易度が違います。栄養士は初級、管理栄養士は上級の試験が課されます。
どちらも、教養試験・専門試験（栄養についての専門知識）加えて論作文・面接試験が課されます。
４ 受験するときのポイント
栄養士・管理栄養士のどちらを募集するかは、自治体によって異なります。栄養士だけを募集して、管理栄養士の仕事に携わる場合もあります。また、栄養士として募集しても、管理栄養士の資格を要求されることもあります。自分の希望する自治体がどのような形で募集しているかを確認することをお勧めします。
栄養士・管理栄養士の募集人数は多くなく、毎年採用していない場合もあります。また、栄養士よりも、管理栄養士の募集をする自治体のほうが多いようです。受験をするときは、管理栄養士の勉強をメインにしておいたほうが採用される可能性大です。
＜ポイント＞
・公務員ならではの職場で働くことができる
・栄養士の免許が必要
・管理栄養士のほうが需要がありそう
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